ミニマリストって、何?
最近、ミニマリストという言葉が急速に広がっているようです。まだ、日本語の辞書にない言葉なのに、どうしてこれほど多くの人が使うようになっているのでしょうか?
ミニマル(英: minimal)は、「最小限の」という意味なので、ここから来ている言葉であることは間違いありません。ミニマリストは「最小限主義者」とも呼ばれているようです。
少し前に流行った「断捨離(だんしゃり)」と極めて似た意味に使われているみたい。
それならば「ミニマリズム」というべきかもしれませんが、「ミニマリズム」は芸術用語として定着しているので、ライフスタイルをあらわす言葉としては使いにくいのでしょう。「ミニマリズム」は、装飾的趣向を凝らすのではなく、それらを必要最小限まで省略する考え方(表現スタイル)を示す、芸術の専門用具なのですね。
要するに、「ミニマリスト」は芸術用語ではなく、ライフスタイル用語として使われているわけです。かなり前から使われている「シンプルライフ」もよく似た言葉ですが、方向性をより明確に示すという点では「ミニマリスト」の方が強い。「ライフ」をつけるならば「ミニマムライフ」か「ミニマルライフ」になりますが、まだ定着には時間がかかりそうです。
断捨離はよい言葉だとは思いますが、少し難しく感じるので「ミニマリスト」という言葉の方に移行しているのかもしれません。
前置きが長くなりましたが、「ミニマム」な(持たない)暮らしをかなえる「ミニマリスト」になるには、どうしてら良いのでしょうか?
ミニマリストになるためには価値観を変えることから
いろいろあるでしょうけれども、価値観を変えることが先決だと私は考えています。
余計なものを捨てた方が、暮らしが豊かになるから、どんどん捨ててゆきましょう、と言われても、なかなか行動に移せないものです。
なぜなら、価値観が変わっていないから。
物は多ければ多いほど幸せな生活が送れるようになる、という考えは間違いです。
日本は1945年の敗戦から、ずっと「消費は美徳」の愛言葉に乗せられて、物を買うことを習慣づけられてきました。「物を買うこと」は、イコール「お金を使うこと」だから、社会全体はとにかく物を買ってリッチな気分になろう、とい雰囲気を維持してきたんですね。
だから「物が多い」イコール「お金持ち」というイメージを信じ込んで、ひたすら、購入と消費を繰り返してきました。
しかし、さすがに、それでは危ないと、気づき始めたので、「ミニマリスト」的生活、「ミニマムライフ」が注目されているのです。
企業や政治家はまだ一般大衆に物を買わせて自分たちが儲けようとしていますが、物を買うことは人を幸せにはしないので、人を不幸にするために頑張っているのが企業や政治家だということになってしまいますね。
ですから、私たち生活者は、本当に豊かな暮らしを目指すには、まずは価値観の方向性を逆にしてみるべきだと思います。
「消費は美徳」ではなく「消費は悪徳」。「物を持つことは幸せ」ではなく「物を持たないことは幸せ」というふうに。
次回からは、なぜ、物を持たない方が幸せになれるか、について、もう一歩踏み込んで考えてみますので、お楽しみに。